Corporate Engineering Teamの須藤です。
今回はCorporate Engineering Teamの一つの業務である、IT設備についてお話させていただきたいと思います。 スマートニュースは、サンフランシスコ、ニューヨークにもオフィスがあり、また一部リモートワークも可能な事からビデオ会議システムを使った会議が少なからず存在します。 Corporate Engineering Teamでは、会議進行がよりスムーズで楽になるように試行錯誤していますが今回ハードウェアの一部入れ替えを実施しました。
現在何を使っているか
現在スマートニュースでは、以下のコンポーネンツを用いてビデオ会議を運用しております。
- Display
- 50-60inch TV
- 100inch projector
- Video meeting system
- Google Meet (Google Hangouts)
- Mic
- Google Hangouts Meet hardware kit mic/speaker
- Speaker
- Google Hangouts Meet hardware kit mic/speaker
昨今のG Suiteを使って社内システムを組み立てている会社さんであれば至極標準的な構成だと思います。
ハードウェアに関しては、2017年の冬にローンチされたGoogle Hangouts Meet hardware kitはまだ珍しいかもしれません。 このキットは、Chromeboxを中心としたall in oneパッケージで、管理用タブレット端末と、カメラ、マイクスピーカーがセットになっております。
Google Hangouts Meet hardware kit は、SELECKさんのインタビューでも触れていますのでお時間のある時にご覧いただければ幸いです。
課題が少しずつ出てきた
Goole Hangouts Meet hardware kitを導入する以前は、mic/speakerとして、Jabra Speak 410を使用していました。
こちらも一般的に評判の良いmic/speakerだとは思うのですが、弊社の場合は会議室の環境にいまいちマッチしておりませんでした。 具体的には会議で東京オフィスの人の声が聞こえにくい。という課題が少しづつ出てきていました。 そこでヒアリングを実施すると、聞こえたり聞こえなかったりすることや、聞こえはするのだが不明瞭で聞き取りにくい。ということがわかりました。
一方でビデオ会議システム(Google Meet)自体には現時点では不満はなく、概ね問題ないということで、現状出ている課題を解決するには
会議室の中の声をしっかり拾えて、どの席に座っていても相手に明瞭に伝わる
ということを達成するために試行錯誤することにしました。
出てきた課題の本質を探る
チーム内で色々テストを重ねていった結果、Jabra Speak 410ではそもそも会議室の大きさに対して性能がミスマッチしていることが判明しました。
弊社で備え付けの設備でビデオ会議が出来る会議室は2つあるのですが、問題になっているのは大きい会議室で、以下のようなスペックです
- 12名がけ (片側6名)
- 12名座っても余裕があり、テーブルではない壁際にも椅子がありゆったり目の会議室
広めの空間の中央にテーブルがあり、後ろの空間にもかなりゆとりのある会議室となります。 また弊社の東京オフィスは天井が抜いてあるので天井高も3m-4m弱ぐらいあって空間としては広い空間になります。
この会議室に対して、Jabra Speak 410が一つ導入されていました。 Jabra Speak 410を接続した状態で会議室のあらゆるところに座り、一定の音量で会話をして、それをビデオ会議越しに聞くという実験を実施しました。 その結果、あきらかにmic/speakerの性能限界より広い会議室で使用していたことがわかりました。Jabraのサイトにてデータシートをみて回ったのですが集音範囲の記載がなかったので正確に性能限界を超えているとは断言するのは難しいのですが、スマートニュース東京オフィスの会議室では一つのスピーカーだと音声が拾えておりませんでした。
上記のことから、
会議室(着席エリア)を十分にカバーするmic/speakerを探す
ということが今回問題となっている点を解決する方法であることがわかりました。
mic/speaker探しの旅
一個のマイクで半径5mぐらいをカバーするものを最初は探していましたが、気軽に使えて、PC(Chromebox)で何もせずに認識するUSB mic/speakerが見つかりませんでした。 そもそも、10mを超える空間を一つのmic/speakerでカバーするのが間違った考えだと思い、今回は、複数台を有線もしくは無線で連結できて集音エリアを広げることが出来る機種に絞ることにしました。
そこで候補に上がったのが
- Google Hangouts Meet hardware kit
- 別売り mic/speaker を購入することで有線複数接続が可能
- Jabra Speak 710
- 複数台購入することで、無線複数接続が可能
- Sennheiser TC-W
- 2 or 4つのセット販売 無線接続が可能
- YAMAHA YVC-1000
- 別売り mic/speakerを購入することで有線複数接続が可能
の4候補になります。 いろいろテストを行った結果、現状スマートニュースでは以下のような結論になりました。
集音性能 | 音質 | 拡張性 | 価格 | その他 | |
---|---|---|---|---|---|
Google Hangouts Meet hardware kit | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 検討当時はmic/speaker別売り時期が未定 |
Jabra Speak 710 | ○ | ◎ | △ | ◎ | 最大2台までの無線接続 |
Sennheiser TC-W | ○ | ○ | ◎ | × | 4台セットの価格が50万越え |
YAMAHA YVC-1000 | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | マイクのみが複数台接続可能 (スピーカーユニットは1つのみ) |
今回変更した点
上記のテスト結果を受けて、冒頭の何を使っているか?で述べた通り
Google Hangouts Meet hardware kit mic/speakerを追加購入することに決定
としました。 採用のポイントとしては
- 音質がとてもクリア(マイク、スピーカー共に)
- 有線で最大5台まで連結出来る
- 値段が手頃 (USで一つ$249程度)
採用時点での懸念点として、まだ検討時点では販売開始時期が未定ということで緊急を要する対応には向いておりませんでしたが、東京オフィスの場合はそこまで緊急度が高くなかったため、これで良しとしました。逆にサンフランシスコオフィスでも同様の問題があり、こちらは急を要していたのでYAHAMAのマイクを複数台(3つ)を繋げるようにしました。
ちなみに2018/5月現在、国内でもmic/speakerが単品購入が可能です
無線で接続できたほうが便利ではないか?という意見も多数あったのですが、今回のケースでは
- mic/speakerは備え付けで移動はしない
- 会議室の机、椅子も固定レイアウトになっていて変更することがほぼない
という前提で無線より安定性と遅延の低いであろう有線接続のものを選定しました
参考までに、Google Hangouts Meet hardware kit mic/speakerは、cat5のLANケーブルで接続され、ホストとなる個体にだけACアダプタの設置が必要となります (1台運用時はACアダプタは不必要)
複数台のmic/speakerを購入して実際に設置してみました。データシート上では、半径1.5m-2m間隔で設置すること。とありましたが実際設置しながらテストしていった結果、会議室の環境には約2mに一つmic/speakerがあれば十分椅子に座っている人の声が拾えることがわかりました。
集音ポイントが複数となったことで、別の効果もありました。 一つだけで拾っている時は、マイクから遠い距離に座っている人の声を拾うことができたとして、壁や天井に反響した音を拾ってしまうのでどうしてもお風呂場で話をしているような反響した音になってしまい、聞き取りにくい問題があったのですが、これがかなりの範囲で解消されてクリアに集音することができました。
インターネット越しの会議のため途中のインターネット回線品質にも影響されますので出来るだけクリアで聴きやすい音で集音されるのは大事だと思っております。
現在は2台で満足のいく結果が得られていますが、最大5台までの拡張性もあるので、オフィスが大きくなった時も対応が可能です。
とても単純な結論ですが、複数のメーカーから試用品をお借りしてテストすることが可能となりました。 各メーカー様、販売代理店様ありがとうございました。
今後に向けて
会社の規模が変更するにつれて、会議体も大きく変わっていきますので将来を見据えていろいろ次の一手を考察中です。
一つは
複数台モニタ接続による、スムーズな会議システム
これは、実際にビデオ会議を行うと、資料共有をオンラインで実施しながら行うことが多いのですがそうすると相手側のカメラ画像が小さくなってしまいどうしても反応がわかりくい。という意見がありました。 Chromebox for Meetingsは複数ディスプレイをサポートしています。複数接続することによって資料を共有しつつ相手側の会議室の様子を常にモニタできますので、よりスムーズな会議進行が出来るのではないか。と考えております
もう一つは
シーリングマイクの設置による、雑音の少ない集音環境の構築
となります。これは、テーブル設置型のマイクですと、どうしてもPCのキータイプ音や、資料のめくる音を拾ってしまいます。これが会話している時に入ると雑音となり聞き取りにくくなる傾向にあります。それを解消するためには天井マイク設置が有効のようですので、この導入も考えています。これは費用がかかってしまう、設定が大変、ミキサーやPC INするための装置が必要。と大掛かりなものとなりますので、実現できるかは未知数です
We are Hiring!
Corporate Engineering TeamではこういったIT環境の検討をはじめ、「会社をhackする」ことを目指して多様な業務に従事しています。 ぜひ、一緒に素晴らしい会社を作っていきたいと思っておりますので、少しでも興味がある方は募集要項をご覧いただければ幸いです。
また、気軽にチームメイトや私に話を聴きたい。といったカジュアルな面談等も実施しております。ご希望の方は以下のオープンポジションにエントリーしていただくことで可能ですので、ぜひよろしくお願いいたします。Corporate Engineeringに対してご興味がある場合は、フォームに興味がある旨を記述いただければ幸いです。