スマートニュース株式会社の共同創業者で、代表取締役社長を務めている浜本と申します。創業期には、SmartNewsアプリのサーバーサイド・クライアントサイドの実装全般を担当していました。現在はコードを書く時間が大幅に減ってしまいましたが、共同CEOとして、エンジニアリングを含む複数部門を管掌しています。

本ブログ記事では、先日SmartNewsの新機能としてリリースしたクーポンチャンネルについて、私の思うところを書かせていただきます(技術色が薄いですが、ご容赦ください)。

スマートニュースは、「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」をミッションとしています。良質な情報とは何かの定義は難しいのですが、1つの答えとして、「触れたひとの人生を良い方に変える情報」が良質な情報である、と考えています。

今回、全国の飲食店でお得に使えて、多くの方の食生活を楽しくすることができるクーポンチャンネルを開始できたことを、とても嬉しく思っています。

私のクーポン愛について

SmartNewsのクーポンチャンネルについて語る前に、私自身が持っているクーポン愛を説明させてください。

子供のころ、商店街で配られていたマクドナルドやロッテリアのクーポンシートが、自分にとっては憧れでした。美味しそうなメニューが、何十枚ものクーポンとなってミシン目で区切られており、いつまでも使えそうなボリューム。小遣いがなかった上に親が厳しく、実際に使うことはほとんどできなかったのですが、もらってきたシートをビリビリと切り離してその音を楽しみ、注文した気分に浸っていました。

そのような原体験が影響してか、飲食店のクーポンに対しては、今でも強く反応してしまいます。2017年に自分が愛用していたクーポンを、2つご紹介します。

はなまるうどんx吉野家「はしご定期券」

もともと、はなまるうどんでは「うどん定期券」として、500円でクーポンを購入すると、105円の割引を1ヶ月間、何度でも受けられるサービスを期間限定で実施していました。当時はかけうどん小が105円だったため(現在は130円に値上げ)、かけうどん小だけを頼めば、1ヶ月無料でうどんを食べ続けることができるという、人類の夢を体現したクーポンでした。

その後、この定期券は天ぷらが1品無料になるように仕様変更されましたが、去年秋に吉野家とコラボし、「はしご定期券」としてスケールアップして帰ってきました。価格は300円で、2017/9/15から2017/10/23まで、39日間有効。はなまるうどんでは、天ぷら(最高値はえび天、かき揚げ、とり天の各140円)が1品無料。吉野家では、丼・皿・カレー・定食が80円引き。回数は無制限で、まさにお店を「はしご」できる定期券です。

私は、はなまるうどんと吉野家間のはしごはもちろん、はなまるうどんでかき揚げうどんを食べた後、一度お店を出て、また入ってとり天うどんを食べるという風に、同一店舗でのはしごもやっていました。有効期間中に、この定期券を何回使ったかは正確にカウントしていないのですが、少なくとも50回は超えていると思います。

今年も、4/1から5/7までの有効期間限定で定期券が発売されるということで、非常に楽しみにしています。

野郎ラーメン「1日1杯野郎ラーメン生活」

こちらは、もはやクーポンというより月額課金と表現した方が適切かもしれません。

野郎ラーメンは、二郎インスパイア系とされ、都内を中心に十数店舗を構えるラーメンチェーン店です。「1日1杯野郎ラーメン生活」とは、この野郎ラーメンの公式アプリから8,600円(税別)のパスポートを購入すると、看板メニュー「豚骨野郎」「汁無し野郎」「味噌野郎」のいずれかを、1日1杯、1ヶ月間食べ続けられるというものです。一番高い「味噌野郎」は880円なので、これを31日間欠かさず食べれば、27,280円相当のラーメンを8,600円で楽しめ、70%近くもの割引率になります。

ちなみに、ポスターには「1日分の必要野菜量がほぼ一杯で摂取!」と書いてありますが、ほとんどモヤシです。

私は、このサービスが開始された2017/11/1にパスポートを購入し、1ヶ月間で合計23回、野郎ラーメンを食べました。私が行きつけにしている店舗は24時間営業のため、朝ごはんを野郎にすることもでき、消化ペースを上げる助けになりました。

自分は23杯で満足していたのですが、私が尊敬するエンジニアのグニャラくんは、同時期に27杯食べていたそうです。

SmartNewsのクーポンチャンネルが提供する価値

クーポンは、これまでSmartNewsが主に配信してきた「ニュース記事」とは若干種類が異なりますが、ユーザーの生活に密着した情報であり、とても有意義なニュースコンテンツだと捉えています。

私はもともと、SmartNewsのバリュープロポジションを次のように考えてきました。

  • All in One Place(大事な情報が、1つの場所に集約)
  • Simple and Clean(分かりやすい、見やすい)

世界中の多様なメディアの記事を、1つのアプリで、一堂に会して読めること。また、シンプルなUIとレイアウトで読めること。素朴な発想ではあるものの、この普遍的な価値提供を実現するために、裏側で技術が貢献できる余地は非常に大きいとも思っています。

今回のクーポンチャンネルの開発にあたっては、All in One Place、Simple and Cleanの考え方を大切にすることによって、これまでのクーポンにあるようで無かった、新しい相乗効果を生み出すことができたのではないかと思います。

  • All in One Place - マクドナルドやガスト、ローソンをはじめ、日常に深く溶け込んだ全国2万店舗以上のお店のクーポンが、1つのアプリで使える
  • Simple and Clean - 余分な要素を極力省いて、商品の写真をなるべく大きく、見やすく表示。今にも食べたくなる

この2つの良さが組み合わさることで、お腹が空いたら、まずはSmartNewsを開く。美味しそうなものを見つけて、早速食べに行く。そんな行動を次々に生み出すアプリへ進化していけたら良いなと妄想しています。

私は今のところ、毎日のようにSmartNewsのクーポンチャンネルを活用しており、社内でもヘビーユーザーの筆頭です。

これからも、ニュースという言葉の意味を決して狭義に捉えず、触れた人の生活、ひいては人生を良い方に変えることのできる情報配信のありかたを探求していきたく思っています。

余談: クーポンとダイエットとダッシュボード

先述の「1日1杯野郎ラーメン生活」を続けた結果、健康に危機感を感じ、私は野郎生活が終わった直後からダイエットを行っています。クーポンチャンネルの利用とダイエットを両立するため、自分が使ったクーポンと、毎日の体重・体脂肪率をGoogle Spreadsheetに記録し、Data Studio上でダッシュボードを作って可視化しています。

会社としては、KPIの可視化にChartioというBIツールを使っているのですが、Spreadsheetをはじめ、Googleのデータソースに直接接続できる手軽さは、Data Studioのメリットだと感じました。