こんにちは。スマートニュース株式会社の坂本 (@takus) です。
6月26日に開催された「インフラ系 SaaS カジュアルトーク at IPROS」 という勉強会で、「Why and How SmartNews uses SaaS?」というテーマでお話をしてきました。今回は、その内容についてご紹介いたします。
お話したこと
過去にも「インフラ専任エンジニアが一人もいない SmartNews におけるクラウド活用法」や「SmartNews Ads System - AWS Summit Tokyo 2015」で触れているように、スマートニュースでは、プロダクト開発において重要な部分にフォーカスするため、積極的に AWS のマネージドサービスや SaaS を利用しています。今回の発表では、より掘り下げた内容として「なぜ SaaS なのか」「どのように SaaS を使っているか」といったお話をしました。
巨人の肩の上に立つ
SaaS の利用を検討していた頃に、こんなことを考えている時期がありました。「今まで(監視システムの文脈では)Nagios や Munin といった OSS で実現していたシステムが、お金を払うと自分で構築・運用しなくてよくなるのでしょ」と。もちろんそれはそれで正しいのですが、最近の SaaS はそれ以上の価値を提供するようになってきている印象があります。
その最たる例は (発表には出てきませんが) Google BigQuery であり、BigQuery を使えば、120 億行を 5 秒でフルスキャンできるクエリが 1 回わずか 200 円程度で投げられてしまいます。
BigQuery は Google のエンジニアが Google で扱うデータ規模の問題を解決するため、努力に努力を重ねた末に作り上げたシステムかと思います。SaaS としてBigQuery を利用することで、そうした巨人の肩の上に立つことができ、自分たちの課題を解決することに時間を使えるようになるわけです。
ここではBigQuery を例にあげましたが、発表で紹介した NewRelic や Datadog などのサービスも日々どんどん進化していて、単なる OSS の代替ではなく、それ以上の価値を提供してくれています。その上、2014 年末に NewRelic が IPO をしたのを皮切りに、翌月には Datadog が 3100 万ドルを調達し、最近では SumoLogic が 8000 万ドルの調達を行うなど、SaaS の進化が益々加速していく環境も整いつつあります。もはや SaaS を使わない理由がなくなりつつあるとも言えるのではないでしょうか。
もちろん、セキュリティ的に外部のサービスに送るのはちょっと…というケースも中にはあるのかもしれません。しかし、たとえばAirbnb はシステムメトリクスは Datadog に送る一方で、個人情報が入ってくる可能性があるログ監視については、Elasticsearch + Kibana を自前で運用しているらしく、任せられる部分から任せていくという使い方も十分ありかなと思います。